「リスクマネジメント講座」(指導資格者むけ) 2026年度版

リスクマネジメント講座(指導資格者むけ)2026年度版

2026年度の「リスクマネジメント講座資料」は以下の3部で構成されています。

【1】知識編(PDF)
リスク管理・危機管理・安全配慮義務・ハラスメント・大規模災害・BCPなど、指導者として必要な知識を学びます。
📄 知識編PDF を開く

【2】実践編(PDF)
脳震盪・心臓震盪・捻挫・骨折などの傷病対応、武器稽古の安全、熱中症予防など、実践的な対応を学びます。
📄 実践編PDF を開く

【3】危険予知編(このページ)
知識編・実践編を読んだ後、Q&A形式のトレーニングで「自分事として考える」機会です。
最後に「受講完了する」ボタンを押すと受講完了となります。

※受講期限:2026年11月末日
※お問い合わせ:risk-management@shinshintoitsuaikido.org

◎ 危険予知のトレーニング

  • リスクマネジメントには「想像と準備」の徹底が重要です。
    「まぁ、いいや」「この位大丈夫だろう」と思うところに将来大きな事故・怪我につながるような危険が潜んでいます。何らかの予兆(サイン)を感じたら、速やかに対応しましょう。
    また、人は「危険な事態には陥らないだろう」「大したことにはならないだろう」「自分は大丈夫だろう」と、危機に直面しても認めようとしない面があります。
    日頃に「想像:事故の予期」と「準備:事故の回避と事故後の対応」を訓練し、万が一の事態のときに、当たり前に「命を守ること」(一次救命措置)が実施できるようにトレーニングをしましょう。
    また、リスクマネジメントの取り組みを、一時的なものではなく、毎回毎回の稽古で、毎週毎週に続けていくことが必須です。
  • *あなたの道場・教室での稽古にはどのような危険があるか「想像」してください。
    *その危険に対して、どのような「準備」が必要ですか。
    答えは1つだけではありません。様々なケースを想像し、準備をしましょう。

*「命を守ること」の本会での実例

  • これはある教室で実際に起こったことです。
    ある日の稽古で、いつもどおりに稽古をしていたところ、突然、一人の方が倒れてしまいました。あなたならどうしますか。
  • その教室の指導者は、一緒に稽古をしていた方と連携し、救急車を要請、AEDを用いて、速やかに一次救命措置を行いました。
    その後、救急車が到着、その方は病院に搬送されました。数日間の入院は要したものの、大きな後遺障害もなく退院なさいました。
  • 日頃のリスクマネジメント、一次救命措置の訓練により万が一の場合に命が守られた実例です。

*リスクマネジメントにおける最優先事項は「命を守ること」

  • 必要があれば迷わず救急車を要請しましょう。会員の生命を守るのが最優先事項です。

    総務省消防庁の令和6年度データでは、救急車の現場到着所要時間は全国平均で約9.8分(前年度10.0分)、病院収容所要時間は44.6分(前年度45.6分)です。
  • ・119番通報をして救急車の到着を待っていたのでは5.6%の人しか救命できません。
    ・救急隊が到着するまでに一般市民により応急手当が実施された場合の傷病者の1か月後の生存者数の割合は6.6%で、応急手当が実施されなかった場合の割合5.6%と比較すると約1.2倍救命効果が高いです。
    ・ここから見ても、日頃のリスクマネジメント、一次救命措置の訓練は重要です。

    参考資料:総務省消防庁「令和7年版 救急救助の現況」
    https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/post-7.html
  • 万が一の事態の際、適切な医療を受けるまで、目の前の方の命を守れるのは私たちです。
    勇気をもって、一次救命措置を行い、速やかに適切な医療を受けられるように日頃のリスクマネジメント、一次救命措置の練習などで万が一の場合に備えましょう。

    教材動画:総務省消防庁「一般市民向け応急手当WEB講習 普通救命講習編」
    応急手当WEB講習(fdma.go.jp)

設問① 稽古前のチェックポイントは?

  • 稽古を始める前に、どのような確認・準備が必要か考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・室温湿度の調整、畳(マット)の隙間がないか、道場内は整理整頓されているか、など
    ・「初期対応マニュアル」は常備されているか、救急セットはあるか、AEDは近くにあるか、など
    ・会員の様子を確認→いつもと違和感がないか(必要なら声掛けなど)
     顔色、表情、目線や目つき、挨拶や返事、話し方、行動、道着の着方など
     特に子ども会員は、はしゃぐ、さわぐ、うずくまる、ポツンなど稽古に向けての態度は大丈夫か、など

設問② 夏季に限らず高温多湿が予想され、熱中症の危険性がある日の稽古は?

  • 高温多湿の日の稽古について、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例①:
    ・地域の「熱中症警戒アラート」や、道場・教室の「暑さ指数(WBGT計を用いる)」に注意する。
    ・熱中症予防のため、中止や延期の検討、など
    ・エアコンの使用、適宜全体で休憩する、それ以外に各自が休憩できるように周知、など
    ・体調や表情に何か変化があったら→大人が付き添う、救急車の要請、#7119へ問い合わせ、など
  • 解答例②:
    稽古の際には、「経口補水液」「瞬間冷却パック(叩いて冷える保冷剤)」「塩アメ」「WBGT計」などの準備をしましょう。
    特にエアコンが無い会場などでは、「大型ファン」等で空気の流れを作るようにしましょう。
  • 解答例③:
    身の回りの暑さ指数(自身の感覚ではなく、WBGT計を用いて客観的に測定)に応じて、会場のエアコン等の有無に関わらず、稽古内容への配慮はもちろん、稽古の休止・中止・延期を適切に判断してください。

設問③ 初心者が稽古をする際の危険にはどのようなものがありますか?

  • 初心者の方が稽古する際に、どのような危険があるか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・稽古に不慣れ→十分に柔軟体操、受身の稽古をする、など
    ・受身に不慣れ→技の中でいつ、どのように受身を取るか指導する、など
    ・技に不慣れ→はじめはゆっくり稽古、慣れてきたらスムーズにできるように、など
    ・前受身が心配→技は投げる手前までの稽古にする、後受身に慣れてから前受身を始める、など

設問④ 剣・杖・短刀などの武器を用いた稽古の危険にはどのようなものがありますか?

  • 武器を使った稽古では、どのような危険があるか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・剣・杖・短刀を振りかぶる時→周囲の方に配慮、同じ向きで、適切な間合いで、交代で、など
    ・武器取りの稽古の際、掛かる時、技の途中、取り上げる時など→周囲の方に配慮、など

設問⑤ 大勢の会員が稽古をする際の危険にはどのようなものがありますか?

  • 人数が多い稽古では、どのような危険があるか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・周囲の人とぶつかる→技を行う向き(受身の向き)、投げ受けの間合い、組と組の間合いに配慮、稽古内容を見直す、稽古方法を見直す(掛かり稽古に、技の一部のみの稽古に)、など
    ・上手く稽古できない人、技ができない人が埋もれる→グループ別、先輩がつく、など

設問⑥ シニア会員が稽古をする際の危険にはどのようなものがありますか?

  • シニア会員の稽古では、どのような点に配慮が必要か考えてみましょう。
  • 解答例①:
    ・急激な変化を伴う動作、大きな負荷をかける、同じ姿勢が続く、過度な緊張が続く、など
     →適宜休憩をとる、ゆっくりやる、無理をさせない、など
  • 解答例②:
    シニア会員の稽古相手は段級や稽古年数に関わらず、「相手がシニアであることに配慮」ができる方が望ましいです。
    また、聞こえにくい、すぐに言葉が出ないなど、コミュニケーション上も配慮が必要です。

設問⑦ 女性会員が稽古をする際の危険にはどのようなものがありますか?

  • 女性会員の稽古では、どのような配慮が必要か考えてみましょう。
  • 解答例①:
    ・男性会員が力任せな稽古、力一杯に掛かっていく、強い負荷を掛ける、など
    ・強く持っただけでも痛みがあり、アザができたりする。
    ・男性会員が女性会員に触れる場合、男性にとっては無頓着でも女性にとってはデリケートに感じられる部位や触れ方、接し方があります。
     →相手の体格や体調、目的に応じて稽古をする。
  • 解答例②:
    稽古の際には、注意喚起だけではなく、稽古内容によっては男女を分けた組み合わせにするなどの配慮が必要です。
    配慮のない行為があると、せっかく稽古を始めても、継続する意欲がおちます。女性会員にとって安心・安全にできるよう、稽古内容や組み合わせにも配慮が必要です。

設問⑧ 子どもクラスで稽古をする際の危険にはどのようなものがありますか?

  • 子どもクラスの稽古では、どのような危険や配慮点があるか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・ふざけている子→落ち着く時間を作ってから稽古(稽古前・稽古中も適宜)、など
    ・慣れていない子→技の一部から稽古(できることを増やす)、など
    ・年齢差、身長差、上達度の違い→組み合わせを工夫、稽古内容の工夫、など

設問⑨ 子どもクラス会員が帰宅途中で保護者と行き違いになりました。どうしますか?

  • 子どもと保護者が行き違いになってしまった場合、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・保護者に連絡、子どもを探す、道場教室で誰かが待機(戻ってくるかも)、など
    ・そもそも引き渡し方法を事前に確認、など

設問⑩ 会員が足指を痛めました。どうしますか?

  • 稽古中に会員が足指を痛めた場合、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・救急車の要請、#7119(地域により番号は異なる)へ問い合わせ、近隣の救急病院に送る、など
    ・医療機関への受診をすすめ着替えて帰宅させる、など

    ※ケガの程度(打ち身、捻挫、骨折など)は医師以外では判断できません。
    ケガをした会員(保護者)と相談の上、適切な医療を受けるようにお勧めください。

設問⑪ 会員が肩を痛めました。どうしますか?

  • 稽古中に会員が肩を痛めた場合、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・救急車の要請、#7119(地域により番号は異なる)へ問い合わせ、近隣の救急病院に送る、など
    ・医療機関への受診をすすめ着替えて帰宅させる、など

    ※ケガの程度(打ち身、捻挫、骨折など)は医師以外では判断できません。
    ケガをした会員(保護者)と相談の上、適切な医療を受けるようにお勧めください。

設問⑫ 会員が頭部を打ちました。どうしますか?

  • 稽古中に会員が頭部を打った場合、どのように対応するか考えてみましょう。
    (強打でなくても慎重に。)
  • 解答例:
    ※特に頭部を打った場合(強打ではなくても)、重大事故に至る可能性があります。
    ・速やかに救急車の要請、#7119(地域により番号は異なる)へ問い合わせ、救急病院(脳神経科のあるところ)に送る、など
    ・保護者や家族への連絡をする、など

設問⑬ 大規模災害が稽古前/稽古中/稽古後に起きました。どうしますか?

  • 大規模災害が起きた場合、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・速やかに稽古は中止、安全なところに移動する、など
    ・「初期対応マニュアル」に基づき避難先に移動か、道場教室で待機かの判断、など
    ・避難先を道場前に掲示、会員、保護者に引き取りの連絡、など

設問⑭ 大雨警報が稽古前/稽古中/稽古後に発令されました。どうしますか?

  • 大雨警報が発令された場合、どのように対応するか考えてみましょう。
  • 解答例:
    ・速やかに稽古は中止、安全なところに移動する、など
    ・「初期対応マニュアル」に基づき避難先に移動か、道場教室で待機かの判断、など
    ・避難先を道場前に掲示、会員、保護者に引き取りの連絡、など

*危険予知のトレーニングのまとめ

  • まだまだ危険はあります。
    危険予知のトレーニングは指導者中心に、大人会員、保護者と機会を作り、道場教室全体での取り組みにしていきましょう。

    みなさんとご一緒に、安心、安全に心身統一合氣道の稽古をして、益々「氣」が出る道場教室づくりをして参りましょう。

  • 以上で2026年度「リスクマネジメント講座」(危険予知編)は終わりです。

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